皆さん、こんばんは!
「キートンのシナリオコレクション」のお時間です。
さて、今週も、我々NSTINDANCETONの脚本をご紹介していきますよー!
今回の脚本のタイトルは
「ランプの魔神」
です!
え、あのランプの魔神?
そうです、物語などでよく登場するランプの魔神です。
これは、ランプの魔神がどのようにして生まれたのか。
その過程を勝手に想像して書いた脚本です(笑)
それではどうぞ!
【ランプの魔神】
時は、はるか古代の昔。
ある村に体長3メートルを越える大男がいた。
大男は、その体の大きさと強大なパワーを利用し、
周りの人間達を威圧し、悪事の限りを尽くしていた。
ある日、いよいよその横暴さに嫌気がさした村の人々は、
力を合わせて彼を村に代々伝わる呪いのランプの中に閉じこめ、
永遠にランプから逃れられないようにすることに成功した。
すると、本来小心者の大男は、急に弱気になり必死で村人たちに泣きついた。
「出してくれ!頼む!今までのことは謝るし、もう悪さをしないから」
必死に頼む大男に、人々は言った。
「分かった、さすがにずっとこのままランプに閉じこめておくのはかわいそうだから、
条件を満たせばランプから自由になれるようにしてやろう。」
条件はこうだ。
それは、“人の役に立つことをすること。”
村人たちが、大男を改心させるために考えた条件だ。
ただし、それだけでは余りにルールが緩いので、
自力ではランプから出ることはできないようにランプに細工を施した。
そして、ランプの外に出ることができるのは、
誰かがランプをこすったときだけという制約も加えた。
しかも、出てきたからには必ずその人の役に立つことをしなくてはいけない。
もし、約束を破った場合は、今度こそ永久にランプから出てこられなくなる。
村人たちは言った。
「人の役にさえ立てばいいんだ。簡単なことだろう。
そうすればすぐにお前は自由になれる。」
しかし、これは村人たちの嘘であった。
誰かがランプをこすれば一時的にランプから出られるのは本当だが、
人の役に立ったところでランプの呪いが解けるわけではない。
呪いにかかった時点で、一生ランプの奴隷となるしかないのだ。
だが、すっかり反省し、わらにもすがる思いでいた大男に
そんなことが分かるはずもない。
この条件を即座にのみ、心に誓った。
「俺は今まで随分と色々な人達に迷惑をかけてきた。
これからは、とことん誰かの為にこの力を使おう。」
大男は自分の中で1つのルールを決めた。
それは、“1人につき3つのお願い事をかなえてあげる”こと。
本来は1つだけでもいいはずだが、これは大男なりの罪滅ぼしであった。
こうして、改心した大男は、
ランプから出してくれた人々のために忠実に良いことをし続けた。
元々身体も大きく、力もある大男だ。
人々にとって大変良い働き手となった。
するとどうだろう。
いつからか、彼の噂が世界中に広がり、
“ランプの魔神”としてその名前を知られるようになった。
彼は伝説となったのだ。
しかし、願いを3つも叶えてくれるとなれば、強欲な人間たちは黙っていない。
世界中の人間たちが、血眼になってこのランプを探し回るようになっていた。
ところがそんなことを大男は露ほども知らなかった。
責任感の強い大男は自由になれないまま、未だに人々のために願いを叶え続けていた。
「俺が自由になれないのは、自分が犯してきた罪が大きすぎるからだ。
こんなことではまだ罪は償えない!」
そうつぶやきながら。★
いかがですか?
僕は、こういう何かが生まれた経緯を描いたお話がすごく好きなんですよね(笑)
日本の映画でも、「口裂け女」がどうやって生まれたかというのを題材にした作品があって(口裂け女2)、とても興味深かったのを覚えています。
化け物だとか妖怪扱いされているものも、元は普通の人間だったりする。
そこに、何かのメッセージ、教訓がある気がするんですね。
「お前も他人事じゃないぞ。気をつけろ。」
そんな風に言われているような気がして。
誰でも、化け物や妖怪になってしまう可能性を秘めているのでしょうか。。
怖い怖い。。(あれ、何の話だ笑)
それではまた次回!
キートンでした。
0コメント