【音楽家×本紹介】No.1「人間失格」~Keaton's Library~

皆さん、こんばんは!


いやー、もはや殺人的な暑さですね!

冬眠ならぬ、夏眠をしたいくらい。。


さて、突然ですが、今日からキートンの新コーナーがスタートします!


またかよー、という声が聞こえてきそうですが(笑)


キートンの新コーナー、その名も


"Keaton's library"


です!


このコーナーは、わたくしキートンが皆さんにおすすめの本をご紹介するコーナー。


〜キートンのおすすめブック〜になると思いましたか?(笑)


しかし、それではあまりに安直だし、響きもあまり良くないので、

こちらのコーナー名にしました!


それと、僕の夢の1つが、自分がセレクトした本だけを集めた図書館を建てることなので、

そういった願いも込められています。


僕らNSTINDANCETONのコンセプトが"シネマポップス"である関係で、

映画をご紹介するブログを優先的に始めていましたが、


実は僕は、映画鑑賞歴よりも読書歴の方が圧倒的に長いのです(笑)


映画をちゃんと観始めたのは、大学に入ってからですが(にわかもいいところですね笑)、

本は小学生の頃から好きでよく読んでいました。


そう考えると〜おすすめシネマ〜なんて偉そうに映画を皆さんにご紹介するのは

本来おこがましいことです。


もちろん、本に関してもそうです。


僕よりも本や映画に詳しくて、

良い作品を知っている方は星の数ほどいらっしゃると思います。


ですが、作品に様々なものがあるように、作品に対する感想や評価も十人十色。

10人いたら10人の感じ方があるわけです。


なので、僕はその内の1人として、僕なりに作品を観て感じたことやその作品の良さを

皆さんにお届け出来たらなと思っています。


というわけで、前置きはこれくらいにして、新コーナーに入っていきましょう!


今回ご紹介するのは、


「人間失格」


です!


やはり、初回なので有名作でいきます(笑)


「恥の多い生涯を送って来ました。」


という冒頭の一文は本作を読んだことが無い方でも、一度は聞いたことがあると思います。


実は、先日のワンマンライブで演奏した「ぴえろ」という楽曲は、

本作からインスピレーションを受けて制作された楽曲です。


それくらい、読んだ当時僕は衝撃を受けました。


本当に、色んなところからインスピレーション受けてますね(笑)


それではその魅力に迫ってまいりましょう!


【こんな方におすすめ!】

・やっぱり文学は日本に限る

・あの有名な人間失格読んだぜ!って他の誰かに自慢したい

・日本文学はあまり読んだことがない

・自分が自分じゃない感覚を覚えたことがある

・普段から色んな自分を演じてしまう

・自分は普通の人とは違うと感じる


【あらすじ】

主人公の葉蔵は東北地方の金満家に生まれた末っ子だ。

彼は気が弱く、人間というものを恐れていた。


しかし、そのことを他の人に悟られたくはなかった。


その結果、彼が行き着いたのは道化を演じることだった。


ひょうきんな人気者。


それが彼が演じていた、本来の自分とは全く別の人格であった。


外から見たら、明るく何の問題もない少年。


しかし、実際の自分とのギャップがますます彼を苦しめることになっていく。。


【読みどころ】

①日本文学入門的読みやすさ


皆さんは日本文学といえば、どんなイメージがありますか?


難解で取っ付きにくい。


そんなイメージが強いかもしれません。


確かに、日本文学の中には、そのイメージ通りの作品も多くあります。

しかし、本作はあまり日本文学を読んだことがない方でも読みやすいと思います!


これは、「人間失格」がというより、

著者である太宰治の作品がといったほうが良いかもしれません。


彼の作品は難解な言葉や言い回しが多用されることは少ないので、

非常に取っ付きやすいです。


なので日本文学を読まず嫌いしていた方はもちろん、

普段あまり本を読まない方にもおすすめです!


作風の癖は強いので、好き嫌いは分かれると思いますが(笑)


よって、有名な上に読みやすい太宰治作品は、

楽して名作を読んだというステータスを得たい方にはうってつけです。


さあ、今こそ本書を手に取り、明日周りの友人・知人に声高に自慢してあげましょう!


「昨日、太宰治作品読んだんだ!

しかも、"人間失格"だぜ?あの代表作の!


名前くらい聞いたことあるよな?

まあ、さすがに知らないと恥ずかしいしな。日本国民としてさ。


でも、どんな内容か知ってるか?説明できないだろ?

しょうがないなあ。今から詳しく教えてやるからよく聞けよ。


いいか、この作品の主人公はだなあ。。」


こんな感じで。

人間関係に亀裂が入っても、責任は一切取りません(笑)


②圧倒的な共感


僕が本作を読んで衝撃を受けたのは、

まるで自分のことが書かれているのかと思うくらいに、


主人公の考えていることが自分と似ていたからでした。


これは似たようなことを、芸能界切っての太宰治ファンであり読書家の

お笑い芸人ピースの又吉さんもおっしゃってましたね。


人間に対する根源的な恐怖感。

自分が他の人とは違うという違和感。

素の自分と違う自分を演じている自分。

素の自分とのギャップによる苦しみ。


これはまさに本作を読んだ当時の僕の生き方そのものでした。


程度の差こそあれ、誰でも少し心当たりがあるのではないでしょうか。


親の前では、優等生。

学校では、ハイテンションなムードメーカー。

恋人の前では、甘えん坊。

1人になると無口でネガティブ。


などなど。


人は無意識にその状況や相手によって色んな自分を演じ分けているんですね。

演じ分けが激しい人って、学校や職場にも1人はいませんでしたか?(笑)


どこに行っても誰といても全く変わらない自分だと言う方の方が少ないでしょう。


しかし、その演じ分けが度を超えると、

本来の自分を見失い、苦しむことになっていきます。


本作は、太宰治の自叙伝的作品だと言われていますが、

彼もこのことで相当苦しんだのでしょう。


本作を読めばその苦しみが恐ろしいほど伝わってきます。


特に、中学の同級生、竹一にその演技を見破られそうになるシーンはゾッとします。


多感な学生時代に読むと、より共感できるんじゃないでしょうか。


ありのままで生きられたら楽なんですが、

それが出来ないから皆演じてしまうんでしょうね。


それにしても、太宰治って俳優とかやらせたら、すごく良い演技するんじゃないかなあ。。(笑)


それでは今回はここらへんで!

また次回!

キートンでした。


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