【音楽家×短編小説】No.3「たらればストーリー」〜キートンのシナリオコレクション〜

皆さん、こんばんは!

「キートンのシナリオコレクション」のお時間です!


さて、早速ですが、我々NSTINDANCETONの脚本の中から

皆さんにご紹介したいと思います。


今回の脚本のタイトルは、


「たらればストーリー」


です。


これは、我々の記念すべき1st single「Tarareba Story」のもとになった脚本です!

表記が変わっていますが(笑)


LIVEでも演奏したことがある曲で、我々にとって初シングルということもあり、

思い出深い一曲です。


それでは、ご覧ください!


                 【たらればストーリー】


「もしあんなことができたら」

「もしあれさえあれば」


そんな空想はしだしたらきりがありません。


人間たちは暇さえあればいつも、「~だったら」「~があれば」

などとため息をついては無い物ねだりばかりしています。


何て贅沢な話でしょうか。こんなにも与えられているものがたくさんあるというのに。


でも、どうやらそれは人間の世界だけの話ではないようですよ。


動物界で他の誰よりも足が速いチーターのトマス君。

彼は誰もがうらやむ足を持っていてみんなから憧れられる存在でした。


格好良くて、完璧に見えるトマス君。でも、そんなトマス君にも悩みがありました。


「俺にはこんな短い足があるだけ。

キリンのジェシカちゃんみたいに長い首があったらなあ」


彼はすらっと背が高く、木の上にある葉っぱを簡単に取れてしまう

キリンのジェシカちゃんをうらやましく思っていたのです。


一方そのキリンのジェシカちゃん。

ジェシカちゃんは他の誰よりも長い首を持っていました。


スタイル抜群で、遠くや高いところにあるものも簡単に取れてしまうジェシカちゃん。

彼女はみんなから尊敬され、愛されていました。


可愛くて、完璧に見えるジェシカちゃん。

でも、そんなジェシカちゃんにも悩みがありました。


「私は首ばっかり長くて頭でっかち。

チーターのトマス君みたいに身体が軽くて足が速ければなあ」


彼女は、足が誰よりも速くて格好良いトマス君に憧れていたのです。


そんなある日、2人はばったり出くわしました。

そして、お互いがお互いの悩みを打ち明け、

一日ずつ交代でジェシカちゃんの首とトマス君の足を貸し合いっこすることにしました。


さて、1日目。まずは、ジェシカちゃんの首を貸してもらったトマス君から。


さっそく木の上の葉っぱを取ろうと首を伸ばしました。

でも、首の重みに足が耐えられず転んでしまいます。

あのジェシカちゃんの足がないとだめなようです。


それならと、他の仲間たちにスタイル抜群になった姿をみてもらうことにしました。

ところが仲間たちは口をそろえてこう言いました。


「今は首と身体がアンバランスでへんちくりん。

色も合ってないし、前のトマス君の方が断然格好良かったよ。」


すっかり落ち込んだトマス君は、

1日の終わりを待たずにジェシカちゃんに首を返しにきました。


そして、2日目。今度は、トマス君に足を借りたジェシカちゃんの番。


ジェシカちゃんはさっそくその足で草原を駆け回ろうとしました。

しかし、思ったように速く走れません。


持ち前の首の重みが仇となって足が機能していないようです。

それどころか足があまりの負担でふらつき始めました。


がっかりしたジェシカちゃんはすぐさまトマス君に足を返しにきました。


この日を境に、2人は自分の身体のことで文句を言わなくなりました。


結局、無い物ねだりをしても意味がない。

元々の与えられているもので十分に素晴らしいのだ。


そう学んだトマス君とジェシカちゃんは以前より自分たちの身体に誇りを持って

幸せに暮らしましたとさ。おしまい。★


いかがでしたか?


このテーマは、童話のような世界観をイメージしています。


でも、今こうして見てみるとツッコミどころが満載ですね(笑)


どうやって身体のパーツだけ貸し合いっこしたんだとか、

ジェシカちゃんに首を返すって表現が狂気じみてるとか、

そもそもパーツだけじゃなくて身体全体を入れ替えればいいじゃないかとか。。


まあ、そこは童話ということでお許しを(笑)


あくまで元の脚本を知っていただきたいので、修正はあえて加えておりません。


とは言っても、実際の歌詞ではちゃんときれいにまとまっているので、

歌詞カードをお持ちの方は見直してみて下さい!


このように、テーマによって世界観やキャラクター、文体を変えていくというのは、

書いている方も楽しくて飽きません。


これからもなるべく本や映画などからインスピレーションを得て、

多種多様のテーマの脚本を作っていけたらいいなと思います!


それではまた次回!

キートンでした。

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